忍者ブログ
今日の番組に関連する情報をタイムリーに配信
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


「今季の目標はチャンピオンズリーグ出場権獲得」と宣言するのは、フランス女子サッカーリーグ、ディビジョン1のモンペリエに所属するなでしこジャパンのふたり、鮫島彩と宇津木瑠美である。



 女子サッカー界でフランスといえば、昨季の女子チャンピオンズリーグ決勝で永里優希所属のポツダム(ドイツ)を下し、初優勝を果たしたリヨンが有名だが、モンペリエも、名門ジュビジー、昨季2位のPSGとともに、そのリヨンを追う2番手グループとして、フランス国内では4強のひとつに数えられる名門だ。



 昨季はリーグ最終節でPSGとの直接対決に敗れ、惜しくもチャンピオンズリーグ出場権を逃した。それだけに「今季こそは」との思いは強く、9節(11月13日時点)を終えて7勝1分1敗で、首位ジュビジー、2位リヨンの後をピタリと追っている。



 今夏、米国のボストン・ブレイカーズからモンペリエに加入した鮫島は、移籍早々から左SBを中心にプレイ。積極的な仕掛けで攻撃にアクセントをもたらしているとチーム内外での評価は上々だ。「ようこそ、サメ」。スタンドにそんな垂れ幕が掲げられるのも、ファンの心を掴んだ証拠だろう。



 その鮫島にフランスリーグの印象について尋ねると、こんな答えが返ってきた。



「全体的に当たりは強い。なんか、ガッシャーン!って感じです。米国と比べても、肉弾戦が多い。だから球際が強くないとやられちゃうイメージですね」



 なでしこのなかでもひときわ繊細でナイーブに映る鮫島のプレイスタイルとはいかにも対照的。しかし、「五輪のためにも、個の強さを学びたい」と鮫島はキッパリ話す。



 現在24歳。女子サッカーの名門・常盤木学園卒業後は看護師を目指していたこともあり、「サッカーに後ろ向きだった時期もあった」と言うが、それはもう過去のこと。ボストンに続き、新天地にモンペリエを選んだことには、彼女なりの決意がうかがえる。



「やっぱり海外に挑戦したかったんです。メンタル面を含めて、自分が変われるチャンスなんじゃないかと思って。なんで変わろうと思った? 明確な目標ができたからですかね。五輪に向けて、日本では経験できないことを得たい。大変だと思うことはないです。それなりのものを求めに来ているのだから、それなりの壁がないと」



 移籍から約2ヵ月、「ようやく新居が決まった」と喜ぶが、フランスでの生活は「全然、慣れない」。食事や言葉のストレスも少なくはないだろう。加えて、プロとアマが混在するチームだけに、練習や試合会場への移動が各自に任されており、郊外には公共の交通機関はない。それでも「ルミ(宇津木)と2人で、必死に車に乗せてくれる人を探してます(笑)」と逞(たくま)しさをのぞかせる。



 一方、移籍2年目を迎えた22歳の宇津木は、リーグの上位4強と他の下位チームとの間に実力の差が大きいことで、モチベーションを保つことの難しさを感じているという。



「下位チームとの対戦で、油断しているかと言われるとそうじゃない。でも、リヨン戦と同じようにやっているといっても、どこかで緩んでいるかもしれない。点差が開けば運動量も落ちるし、集中力も欠きがちになる。そうすると、これまでできていたこともできなくなる。そこが課題ですね」



 個人的には「昨季はフランス一色に染まることで精いっぱい」で、なでしこでは「自分の良さを出せなかった」と唇をかんだ。「今年は2年目なので。両方で結果を求めたい」と気持ちを切り替えている。鮫島の加入については「もちろん、プライベートは充実しました」と歓迎している。



「こっちでは『本当にこの人、サッカーできるの?』という選手でも、シュートだけはすごく上手で、3本蹴ったら2本入るぐらいに決定力が高い」



 日本の技術は現地でも高く評価されるが、そんな勝負強さに見習うべき点を見出している。



 ロンドン五輪という目標はあるが、「せっかくフランスまで来たのだから、それだけに固執するつもりはない」という点では共通するふたり。それぞれ壁にぶつかりながらも、それに向き合い、一歩ずつ歩みを進めている。



栗原正夫●文 text by Kurihara Masao





(この記事はサッカー(webスポルティーバ)から引用させて頂きました)



集客

PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック