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 ◇喪失感、より大きく

 ◇娘のため永住決意 でも、今が一番つらい…

 「みんな復旧していると思っていますが、今が一番つらい。仕事も貯金も友だちも失いました」

 茨城県ひたちなか市から西区にある夫の実家への永住を決めた益成(ますなり)洋子さん(27)は、大きな喪失感を抱えている。

 結婚を機にひたちなか市に移り住み、夫の大さん(30)、長女の一葉(いちは)ちゃん(3)と3人で社宅に暮らしていた。震災で電気、水道、ガスが止まり、社宅は立ち入り禁止に。避難所となった小学校には人があふれ、車の中で夜を過ごした。約100キロ離れた福島第1原発の爆発で、放射能汚染を心配した佐賀県の実家からは「とりあえず帰ってこい」と連絡があり、一葉ちゃんと2人で避難した。

 1カ月後にひたちなかに戻ると、大きな余震に見舞われた。一葉ちゃんは地震直後、何も食べられないくらいおびえていた。最寄りの駅を見るだけで泣き出し、「家には入らない」と暴れた。翌日に佐賀県に戻った。病院でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。幼児には薬も処方できず、「地震を思い出させるようなことをしないで」とだけ言われた。

 4月下旬、2人で夫の実家に移った。電動工具メーカー勤務の大さんと離れて二重生活が続いた。入園するつもりだったひたちなかの幼稚園は、プールや遠足を中止した。運動会も体育館だったと聞き、「子育ての環境によくない」。夫婦で何度も話し合い、広島での永住を決意した。

 社宅は大規模な修復工事が必要なほど壊れたが、罹災(りさい)証明は出なかった。買ったばかりの車のローン、引っ越し代、家具の処分代、交通費……貯金は使い果たし、昨夏予定していた新婚旅行の費用までなくなった。「お金より命、生きているだけで十分だと思っていた。今になって、頑張らなきゃっていう時だけど、頑張れんのかなあ……。以前の楽しい思い出ばかりがよみがえって、主人と毎晩浸っています」

 広島で避難者たちの集まりに呼ばれても「東北の人たちはもっと大変、茨城というと肩身が狭い」と気後れする。4月から一葉ちゃんは幼稚園に入るが、「新しく広島で友だちになった人とは、そういう話は抜きでいきたい」と語る。

 「いつかは地震や津波のことを話さないといけない」。今は一葉ちゃんに地震のことを触れられずにいる。将来、受け止められるようになったら話せるよう、日記を付けている。【加藤小夜】



3月5日朝刊





(この記事は広島(毎日新聞)から引用させて頂きました)

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